かばんの館

外国人撮影監督が「もっとも美しい劇場」と絶賛!映画「国宝」のロケ地 出石永楽館へ

※出石永楽館は2025年9月25日から10月6日まで「永楽館歌舞伎」開催にともなう公演およびその準備のため内部の見学はできません。特別展示も9月23日から近隣の「出石家老屋敷」に移っています。詳しくは出石永楽館のHP(http://eirakukan.com/)をご確認ください。

全国の映画ファン、国宝ファンの皆さま。いま絶対に外せない「国宝」スポットをご存じですか?
それが兵庫県豊岡市出石町にある 出石永楽館(いずしえいらくかん)です!

現在大ヒット上映中の映画「国宝」のクランクインの舞台であり、主人公・喜久雄(吉沢亮)と俊介(横浜流星)の若き日に舞台に立つ、印象的なシーンが撮影された場所なんです。

出石永楽館とは?

出石永楽館は、明治34年(1901年)に開館した近畿地方で最古の芝居小屋。
歌舞伎や演劇、落語の公演が数多く行われ、地元但馬の人々に長く愛され続けています。

館内は木造の温かみを残しつつ、舞台・花道・奈落といった古典的な舞台装置を今も備えており、劇場そのものが「生きた文化財」。
だからこそ、映画『国宝』の世界観と見事に融合し、観客を惹きつける舞台として選ばれたのでしょう。

国宝で撮影を担当したチュニジアの撮影監督ソフィアン・エル・ファニ氏も「世界で最も美しい劇場」と絶賛したほど。その言葉通り、スクリーン越しでは伝わらない息をのむ美しさが、訪れる者を魅了します。

「国宝」とは?作品背景をおさらい

「国宝」は、直木賞作家・吉田修一氏の原作をもとに、李相日監督が映画化した話題作。

物語は、任侠の家に生まれながら歌舞伎役者としての素質を見いだされた主人公・喜久雄が、芸の道にすべてを捧げて生きる半生を描いた壮大な人間ドラマ。
歌舞伎の華やかさと裏側の厳しさ、そして人間の情念が交錯する物語は、映画ファンのみならず舞台芸術に関心のある人々の心もつかんでいます。

主演は吉沢亮さん。青年期の凛々しさと役者としての覚醒を見事に演じ、観客の心を震わせます。
さらに横浜流星さん、高畑充希さん、寺島しのぶさん、森七菜さん、三浦貴大さん、永瀬正敏さん、渡辺謙さんなど、豪華キャストが脇を固め、物語に圧倒的な厚みを与えています。

そして第78回カンヌ国際映画祭「監督週間」部門に正式出品。日本国内だけでなく、海外からも高い注目を集めています。

作品詳細

監督:李相日
原作:吉田修一
脚本:奥寺佐渡子
撮影:ソフィアン・エル・ファニ
音楽:原摩利彦
主題歌:「Luminance」原 摩利彦 feat. 井口 理(Sony Music Label Inc.)
振付:谷口裕和 吾妻徳陽
歌舞伎指導:中村鴈治郎
キャスト:吉沢 亮
    横浜流星 高畑充希 寺島しのぶ
    森七菜 三浦貴大 見上愛 黒川想矢 越山敬達
    永瀬正敏 嶋田久作 宮澤エマ 中村鴈治郎 田中泯
    渡辺謙
配給:東宝

映画「国宝」特別展でファン歓喜!

現在、出石永楽館では映画『国宝』の世界を体感できる特別展示を開催中。

映画「国宝」では青年期のはじめのシーンがここ永楽館で撮影されました。実は永楽館での撮影がクランクインなんだそうです。

出石永楽館は公演、貸館のない日は内部を見学することができます(有料)。
※休館日、公演、貸館日にはご注意ください!

まずは入口から

まずは映画ファンにはうれしい、作中で使われた「国宝」の役名ののぼりが…

さらに永楽館の入口では、映画で使用された浪花座の提灯が出迎えてくれます。
また数々の小道具のほか、主要キャストや監督のサインが展示されています。
ソフィアン・エル・ファニ氏からの賛辞も!

二人藤娘の歌舞伎絵!

実際に作中で使用された、二人藤娘の歌舞伎絵も入口の横に飾られています。こちらもお見逃しなく!

また出石永楽館のほかにも、豊岡市役所出石振興局の玄関ロビーや図書館出石分館、旧福富家住宅にも展示がありますのでこちらも必見!(出石振興局と図書館出石分館は、出石永楽館から徒歩5分ほど、旧福富家住宅は徒歩10分ほどです)

舞台装置まで見学できる!内部は必見

映画「国宝」の撮影監督をつとめたソフィアン・エル・ファニ氏から「世界で最も美しい劇場だ」と絶賛された美しい館内は必見です。

小さな町の劇場ならでは!
舞台と客席が本当に近いのが魅力♪

舞台に上がることもでき、日ごろ目にすることのない劇場の舞台裏を見ることができます。
舞台の下の奈落(ならく)にも入ることができ、廻り舞台やセリ、すっぽんなどの舞台装置が見れるのが嬉しいポイント。国宝の登場人物たちが立った舞台や花道も実際に歩くことができます。

吉沢亮さんや横浜流星さんが立った憧れの舞台へ!

作中で使われた 藤の枝 が設置されており、観客は自由に舞台に上がって「二人藤娘」になりきり撮影可能。役者と同じ舞台に立つだけでも胸が高鳴るのに、小道具を手に取って作品の世界に入り込めるなんて感動ものです!

また、この舞台上では渡辺謙さん演じる花井半二郎と嶋田久作さん演じる三友の社長との言い合いのシーンが撮影されたそう。幕が降りたあとの舞台上で撮影されたとか。

本当に「舞台裏」にある楽屋

舞台の次に見学したいのが、舞台裏の楽屋です。
この楽屋、おもしろいのが「本当に舞台の裏にある」ことです。公演が行われるときは幕で覆われていますが、ふだんは舞台の裏にそのまま出ています。この距離感も楽しんでください!

楽屋に貼ってある注意書き。そう、ここで会話すると客席に聞こえちゃうのです。

ファン必見なのはこの楽屋。どこかで見覚えないですか?
主人公・喜久雄が実際に劇中で使った鏡台が展示されています。

役者が心を整える神聖な空間を覗き見できるこの展示は、ファンにとって鳥肌必至。

内部見学の魅力:舞台装置を体感せよ

ここでできる体験は、映画ファンにとって夢のようなものばかり。

  • 舞台に立てる → 吉沢亮さんや横浜流星さんが立った舞台を自分の足で踏みしめられる。
  • 花道を歩ける → 役者目線で客席を眺めると、スクリーンでは味わえない臨場感が押し寄せる。
  • 奈落(ならく)に潜れる → 廻り舞台やセリ、すっぽんなど、舞台の裏側の仕掛けを間近で見学可能。
  • 楽屋に入れる → 撮影でも使用された楽屋に実際に足を踏み入れると、キャストの息づかいがまだ残っているかのような錯覚に。

こちらは花道にある「すっぽん」。
下に入ることもでき、人力で担ぎ上げる構造が見ることができます。

この他にも奈落や廻り舞台など、舞台の裏側の仕掛けを間近で見学することができます。

ほかにも見どころが!出石に点在する「国宝」スポット

映画「国宝」のファンにぴったりの出石散策ルートをご紹介!
出石は各地で国宝の展示を実施中!(2025年8月22日現在)

出石振興局ロビー&出石図書館分館

こちらには日乃本座の提灯のほかのぼりなどの展示があります。

何といっても必見なのはこちら!
父、花井白虎と三代目半二郎の襲名披露のお練りの人力車。
悪魔に魂を売ってしまう・・・あの問題シーンがよみがえります。

また、同じ建物内の図書館には、国宝の特設コーナーが作られてました。
(休館日でしたので廊下から)

旧福冨家住宅

出石振興局からさらに徒歩5分ほど、明治時代の豪商のお屋敷跡である「旧福冨家住宅」でも国宝の特別展示が行われています。

こちらでは出石永楽館所蔵の歌舞伎画が展示されており、このうちの一枚が作中で使用された「菅原伝授手習鑑 車引」です。これは寺島しのぶさん出演シーンの背景に飾られていた歌舞伎絵です。

どのシーンかは、ぜひ現地でご確認ください!

聖地巡礼プランおすすめコース

映画ファンにぴったりの出石巡礼ルートをご紹介!

1.出石永楽館 … 『国宝』特別展示と内部見学で作品の世界に没入。

2.出石振興局ロビー&出石図書館分館 … 小道具展示をチェック。

3.旧福冨家住宅…寺島しのぶさん登場シーンの背景の歌舞伎絵をチェック。

4.出石そばを堪能 … 出石はそばの町、国宝の展示めぐりの後は名物の皿そばでほっと一息。

5.かばんの館でショッピング … 永楽館がある兵庫県豊岡市は鞄の町。バッグやお財布をお土産に。

6.城崎温泉や湯村温泉、夕日ヶ浦温泉で一泊…出石の近くには魅力的な温泉地がたくさん!

この流れで回れば、映画と街の文化を同時に楽しめる充実の聖地巡礼になりますよ!

出石永楽館から徒歩1分!かばんの館のショップ情報はこちらからどうぞ

【基本情報】休館日・貸館日にご注意ください!

(2025年9月22日追記)
「出石永楽館」について
■公演・貸館に伴う休館について
下記期間は「永楽館歌舞伎」開催にともなう準備、公演のため、館内見学および映画『国宝』特別展示はご覧いただけません。
9月25日(木)〜10月6日(月)
詳細は公式HPまたはお電話でご確認ください。
0796-52-5300
出石永楽館HP:http://eirakukan.com/

■映画『国宝』特別展示について
上記の展示は 9月21日(日)で一旦終了しました。
9月23日(火)から は展示の一部を【出石家老屋敷】(永楽館から徒歩約3分)に移して公開します。
住所:豊岡市出石町内町98
休館日:9月24日(水)
特別に 10月1日(水)は開館 します。
永楽館での展示再開は 10月7日(火)予定 です。

かばんの館から徒歩1分(とても近いです!)
入場料大人:400円 学生:240円 中学生以下:無料
住所〒668-0234 兵庫県豊岡市出石町柳17-2
営業時間9:30~17:00(最終入館16:30)
定休日毎週木曜日、12月31日、1月1日
※公演のある日は内部の見学はできません。
 公演日は出石永楽館さんのホームページでご確認ください。

2025年9月以降、見学不可になる貸館日が多くなっています。ご注意ください!
TEL0796-52-5300
ホームページhttp://eirakukan.com/
駐車場特定の駐車場はありません。近隣の駐車場をご利用ください。



まとめ

映画『国宝』の聖地・出石永楽館は、ただのロケ地ではありません。
ここは物語が始まった場所であり、俳優たちの熱演が刻まれた舞台であり、そしてファンが作品とつながれる“扉”なのです。

    • 藤の枝を手に舞台で二人藤娘になりきる

    • 入口で浪花座の提灯とのぼりに迎えられる

    • 楽屋で喜久雄の鏡や藤の花ののれんに感動する

これらの体験は、スクリーンの外でしか味わえないもの。
映画ファンとしてのあなたの旅を、間違いなく特別なものにしてくれるはずです。

👉 映画『国宝』を愛するすべての人へ。
出石永楽館は、次にあなたが訪れるべき“国宝”そのものです。

今年9月には毎年恒例の「永楽館歌舞伎」が催され、片岡愛之助さんほか豪華役者による歌舞伎が披露されます。

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